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東京 2020 オリンピック・パラリンピック選手村で COVID-19 の下水疫学調査を実施

更新日:2月17日

東京 2020 オリンピック・パラリンピック選手村における感染状況把握のため下水疫学調査を実施


ヒトゲノム解析センターの井元清哉教授が代表を務め、北海道大学大学院工学研究院の北島准教授や大阪大学感染症総合教育研究拠点の村上特任教授 (常勤) も参画する有志研究グループ「MAss gathering Risk COntrol and Communication」 (MARCO) が、東京大学大学院工学系研究科の片山浩之教授や塩野義製薬などの協力のもと、東京 2020 大会の選手村において COVID-19 の下水疫学調査を実施しました。下水疫学調査は、不顕性感染者や軽症者も含めた集団レベルでの COVID-19 感染状況を効率よく把握するツールとして活用が期待されています。


北大・塩野義の高感度検出技術により下水中ウイルスを定量し、ゲノム解析により変異株を検出


研究チームは、 2021 年 7 月 14 日から 9 月 8 日にかけて、選手村内のマンホールから毎日下水を採取し、計 690 検体の下水サンプルに対し、北海道大学と塩野義製薬が開発した高感度検出技術により、新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) RNA の検出および定量をおこないました。各下水サンプルの SARS-CoV-2 RNA 濃度データは、採取の翌日までに公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に報告され、組織委員会が選手村のウイルス排出状況を網羅的に把握するための情報として、さらにはコロナ対策の検討材料の一部として活用されました。定量 PCR で陽性であった下水サンプルについては、 SARS-CoV-2 ゲノム配列を読み取り、変異株の検出がありました。


下水疫学調査が大規模集合イベントにおける感染リスク管理に資するツールとなることを実証


今回の調査では、下水疫学調査が臨床検査の最適化に資する情報 (優先順位付け、全数検査の必要性の判断など) や変異株の網羅的 (不顕性感染者および未知の変異株) な把握への活用が期待できることが示されました。空港での迅速抗原検査による入国者の大量スクリーニング検査では多くの不顕性感染者が見逃される場合があることを示すものでもあります。海外では国際線旅客機への下水疫学調査の適用可能性も既に示されており、不顕性感染者の存在と変異株への感染状況を効率良く把握することができるツールとして期待されています。ただし、調査を実施するにあたっては、適切なサンプリング法や高感度かつ信頼性の高い分析法を選定し使用する必要があります。



掲載誌: Journal of Travel Medicine (渡航医学の専門誌) COVID-19 wastewater surveillance implemented in the Tokyo 2020 Olympic and Paralympic Village. (東京 2020 オリンピック・パラリンピック選手村に実装された COVID-19 の下水サーベイランス)


詳しくは東大医科研プレスリリースをご覧ください。



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