アジア最大のグループとして新型コロナウイルス感染症国際ゲノム研究にも大きな貢献
ヒトゲノム解析センター井元清哉教授らが参画するコロナ制圧タスクフォースは、最先端のゲノム解析を進める中で、アジアで初めて、新型コロナウイルス患者と対照者との遺伝子型を網羅的に比較する大規模ゲノムワイド関連解析を実施しました。免疫機能に重要な役割を担うことが知られている「DOCK2」と呼ばれる遺伝子の領域の遺伝的多型が、 65 歳以下の非高齢者における重症化リスクと関連性を示すことを発見しました。このバリアントは欧米人ではほとんど認められないことから、日本人を含むアジア人集団に特有の重症化因子の有力候補である可能性が示唆されました。一方で、 DOCK2 遺伝子領域のバリアントだけでは重症化の集団間の違いを説明することはできず、さらに症例数を増やした解析による追認検証も含めた、今後も更なるゲノム研究の継続が重要と考えられます。
コロナ制圧タスクフォースの活動は、国際的にも広く認知され、国際共同研究グループと共に研究を進めています。世界最大の新型コロナウイルスホストゲノム研究コンソーシアムである COVID-19 Host Genetics Initiative にアジアで最大の研究グループとして参加し、新型コロナウイルス感染の重症化に関わるバリアントの同定に貢献しました。
掲載誌
英文タイトル: Japan COVID-19 Task Force: a nation-wide consortium to elucidate host genetics of COVID-19 pandemic in Japan.
タイトル和訳: コロナ制圧タスクフォース:日本における COVID-19 の宿主遺伝子解明のためのコンソーシアム
著者名: Namkoong H and Edahiro R et al.
掲載誌: medRxiv
DOI: 未定
英文タイトル: Mapping the human genetic architecture of COVID-19 by worldwide meta-analysis.
タイトル和訳: 世界的なメタアナリシスによる COVID-19 のヒト遺伝的構造のマッピング
著者名: The COVID-19 Host Genetics Initiative.
掲載誌: medRxiv
DOI: 10.1101/2021.03.10.21252820.
詳しくはコロナ制圧タスクフォースのプレスリリースをご覧ください。
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