医療データ情報学分野の渋谷哲朗教授は、東京大学大学院情報理工学系研究科の定兼邦彦教授との共同研究「大規模メタゲノム解析の基盤技術の研究」において、次世代シークエンサ出力のアセンブル処理で用いられるドブルイングラフを 100 分の 1 以下のサイズに圧縮して格納するデータ構造を開発。従来は不可能であった超大規模メタゲノム解析を可能にしました。また、ヒトゲノムの規模の解析であれば、ノート PC でも実行可能にしました。本成果は、デファクトスタンダードなゲノム配列解析技術として実際に世界で使用されており、新型コロナウイルス研究の最前線でもその研究推進に大きく貢献しています。低侵襲な個人医療の実現の鍵と注目されている腸内細菌叢メタゲノム解析においても、その大規模化と実際の計算コストの低廉化に寄与することが期待されます。
渋谷哲朗教授からの声
このような名誉ある賞を頂けましたことを大変光栄に思います。これまでの共同研究者や研究を支えてくださった方々に深く感謝しますとともに、これからのビッグデータ時代の医科学をさらに先に進めていけるよう、さらに精進したいと思います。
関連情報
受賞成果に関係する論文
Alexander Bowe, Taku Onodera, Kunihiko Sadakane and Tetsuo Shibuya, Succinct de Bruijn Graphs, The 12th Workshop on Algorithms in Bioinformatics (WABI 2012), LNCS 7534, 225-235, 2012.
Taku Onodera, Kunihiko Sadakane and Tetsuo Shibuya, Detecting Superbubbles in Assembly Graphs, The 13th Workshop on Bioinformatics (WABI 2013), LNCS 8126, 338-348, 2013.
Wing-Kin Sung, Kunihiko Sadakane, Tetsuo Shibuya, Abha Belorkar and Iana Pyrogova, An O(m log m)-time algorithm for detecting superbubbles, IEEE/ACM Transactions on Computational Biology and Bioinformatics, 12(4), 770-777, 2015.
Tetsuo Shibuya, Application-Oriented Succinct Data Structures for Big Data, The Review of Socionetwork Strategies, 13, 227–236, 2019.
Comments